書記長談話 消費税増税首相判断にあたって

2018/10/16
全国建設労働組合総連合 書記長 勝野圭司

 2018年10月15日、首相は2019年10月から税率10%とする消費税増税を予定通り実施することを表明しました。
 アベノミクスが始まって間もなく6年が経過しようとしていますが、格差が拡大する一方で多くの国民が景気回復を実感できる状況にはなっていません。むしろ、実質賃金が減少を続け、生活必需品に至るまで過度な節約をせざる得ない状況です。その回復の兆しも見えない中での消費税増税で国民生活はさらに苦しいものとなることは必至です。
 増税に伴い政府は経済対策として支出に上限を設けない大規模な財政出動を行うとしています。2014年4月の消費税増税では5.5兆円規模の対策を講じましたが、増税後の大幅な景気悪化を招きました。今回の増税での消費税増収分はおよそ5兆円です。前回と同様規模、さらにそれ以上の対策を講じれば、増収分はこれまで政府が消費税の使途として示してきた社会保障や子育て支援、財政健全化に回らず、経済対策で使い切ってしまうことになり本末転倒です。そこまで大規模な経済対策を講じなければ消費税増税が景気・経済に影響を及ぼす状況であれば、増税を見送るべきです。
 一方で、大企業は近年バブル期を超える史上空前の利益を計上しているにもかかわらず、法人税は減少しています。企業の利潤は労働者への分配や設備投資ではなく、高額化する株主配当や内部留保に充てられており、特に内部留保は財務省が今年4月に発表した法人企業統計では417兆円となりました。アベノミクスが始まってからの約5年で102兆円も増加しています。毎年のように行われてきた大企業減税は内部留保を肥大化させたに過ぎず、その財源にこの間の消費税増税の税収が充てられたといっても過言ではありません。
 経済界は将来の社会保障財源について、自己負担の拡大と消費税増税で賄うべきとしたうえで、10%を超える税率に引き上げる必要があると政府に要請していますし、国際機関からも欧米並みの税率への引き上げが提言されています。
 社会保障財源が消費税収中心でねん出され、大企業の利潤追求を中心とする経済政策をとり続ければ、少子高齢社会がより顕著となる将来に向けて際限のない消費税増税が繰り返されることになります。
 全建総連は、これまでも仕事と暮らしに大きな影響をおよぼす消費税増税をはじめとする大衆増税に反対してきました。引き続き全国で大衆増税反対に向けた取り組みを進めていきます。

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