高齢者にとって、お住まいの悩みは深刻な問題です
「トイレを広くしたい」「台所を使い易くしたい」「お風呂の換気を良くしたい」などのお住まいの悩みは、日々の暮らしに直結してしまうたいへん重要な問題です。
「少しぐらいなら」と我慢しようにも、繰り返し毎日感じてしまう不便さは、なかなか簡単にはやり過ごすことができないのではないでしょうか?
そして、これは働き盛りの世代の健常者だけの問題ではありません。
現在、そして将来への見通しでも、日本社会の高齢化には歯止めが掛かりそうもありません。
今後、さらに高齢者人口が増加すると共に、出生率の低下と相まって、日本の社会全体の中で高齢層の人口が最も多くなる状況が訪れることは避けられそうにありません。
このように、従来からの「若年者層が高齢者層を支えていく」ということを基本とした社会システムが崩壊し始めている中で、これまでとは違う新たな視点に基づいた対応が求められているのです。
住宅の中のちょっとした段差や、廊下やトイレの手すりの有無など、若年・中年層にとっては何でもないようなことでも、身体機能や体力が低下している高齢者の皆さんにとっては日々の生活に大きく影響してしまいます。
「段差につまずいて骨折したことがきっかけで、そのまま寝たきりになってしまう」などといった事例も数多く発生しており、その際の介護の必要性など、親族に及ぼす影響は計りしれない程に大きいものです。
つまり、これは高齢者の皆さんのみで暮らしている世帯だけの問題ではなく、高齢者の皆さんと同居しているご親族の皆さんにとっても切実な問題となってしまっているのです。
昨今、「QOL=クオリティ・オブ・ライフ」というキーワードが注目されてきています。
これは、もともとは主に医療や福祉に関わる概念ですが、現在では広義に解釈され始めており、「生活の質」「人が人として有意義に生きるにはどうしたらいいか」というテーマについて、日本においても「自分の生存状況についての満足・生きがいなどの意識を含む、全般的・主観的な幸福度の向上を目指そう」という考え方が重要視されるようになってきているのです。
このような中、高齢者の皆さん個々の実情に対応したバリアフリーリフォームの実施を中心として、高齢者の皆さんを取り巻く住環境を改善していくことは喫緊の課題となっています。
しかし、働き盛りの年代とは異なり、多くの場合に退職して年金や貯蓄で生計を立てている高齢者の皆さんにとって、リフォーム工事の費用を捻出することは容易なことではありません。
また、親族の皆さんがそれを肩代わりしようとしても、それぞれの世代でもご自身の生活などのさまざまな事情もあり、多くの皆さんが金銭的な面からバリアフリーリフォームを諦めてしまっているのが現状です。
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高齢者の家庭内事故の発生場所を見ると、『居間』(37%/段差転倒)が1番多く、続いて『台所』(22%/キッチン設備への対応不備)、『階段』(15%/転倒・転落)となっています。
また、高齢者が行ったリフォーム工事の内訳は、『浴室』『トイレ』『台所』が非常に多く、全体の70%以上を占めており、工事費の平均額は630万円以上となっています。 |
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