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強風の「やまじ風」
地域特有の気候を味方に

作業場全景 |
㈲加地工務店が事務所を構えている宇摩郡土居町は、人口1万8千人弱、愛媛県の中でも香川県に近い海沿いの町です。背後にはさほど高くない山を抱えていますが、春から夏にかけて、この地域特有の強い風が、山から海へ向かって吹き付けます。地元ではこれを「やまじ風」と呼んでいます。同社の仮設材が100メートル以上も飛ばされるすさまじさがあり、屋根の瓦に重しを置く補強が施されていました。
地域特有の気候を知らない他の地域のビルダーなどが参入しても、おそらくクレームが発生するに違いありません。地元の業者ならばこそ、やまじ風ばかりでなく台風や雨が強く降った後、翌日は必ず「雨もりはありませんか、瓦は大丈夫ですか」とお客様回りをします。加地隆夫社長(72)もそうした訪問を欠かさず、お客様からは「こうして来てくれることが一番大事なことなんです」と感謝されています。
それが口コミとして仕事につながり平成14年度には11棟を引き渡しました。それを社長と息子夫婦、それに常雇大工3〜4人という体制で頑張っています。
同社が鉄筋を手がけるようになったのはやまじ風対策でもありますが、もとは木造の技術専門で地元における信頼を築いてきたからです。25歳で独立して以来、加地社長が手刻みの技術や丸太の使い方等で営々と努力を重ねて来たことが、現在の評価につながっています。
最近でも、うるさ型で通っている建主が「親父さんに任せれば心配はない」と見積りもすべて信用して任せてくれました。建前の時に出来映えの良し悪しを判断されるという環境の中で、腕を磨き契約にない追加工事でもきちんと応え、建てっ放しにすることはないという信頼が地域に定着していることの表れでしょう。
オール電化のような新しい技術がもてはやされる中で、そうしたニーズに応えているのは2代目ですが、現役を退いたとはいえ加地社長の影の力はまだまだ大きいものがあります。
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