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■ 建設労働者のためのアスベスト医療シンポジウムを開催
(2008/7/16)


 全建総連は6月15日、東京・全労済会館のスペースゼロで「建設労働者のためのアスベスト医療シンポジウム」を開催しました。当日は、医療関係者31人、全建総連からは21県連・組合の355人、合計403人が参加し、5人の専門医・研究者から報告がありました。

 主催者として基調報告に立った宮本労対部長は「全建総連の取り組みは、労災認定や石綿管理手帳など大きな前進を果たしてきた。首都圏では患者・家族の組織化が始まっている。涙ながらに家族の苦しさ悲しさが吐露され、多くの方が『組合があってよかった』と語っている。こうした場を提供することが組合の役割だ。国会では緊急見直し法として石綿救済法が成立した。これは救済の権利消滅を止めるところに力点が置かれたものであり、引き続き厚生労働省へ要請していく。合わせて、基準局発51号通達の見直しを目標としたい」と述べました。

 名取雄司、久永直見、広瀬俊雄、海老原勇、樋野興夫各医師は、シンポジストとしてそれぞれの見解に基づいた発言を行いました(別掲)。樋野医師からは、臨床医でなく順天堂大学での研究者の立場から「中皮腫の発症前診断」の研究経過について報告があり、参加者の注目を集めるものとなりました。

 才田労対担当中執は今回のシンポジウムを「樋野医師の発言にあった研究費に関しては、全建総連としても文科省、厚生労働へ要請したい。コロニアル瓦は比較的最近使われ始めたもので、板金工が発症するのはこれからではないかともいわれている。そうした仲間を掘り起こし、救済していくことが求められている」とまとめました。

 古市書記長は閉会あいさつで「樋野医師の研究報話は明るい展望が開けるものだ。全建総連としても、取り組むべきことが明らかになった。全県連・組合で担当者の育成など、アスベスト対策を前進させていきたい」と述べました。

【専門医・研究者の発言】
▼医師・名取雄司  最近は、アスベスト関連疾患にとりくむ若い医師が増えてきており、今後に期待したい。だが、現在でも専門医がいないという地方は多い。だからこそ各県連・組合と国保組合でも、石綿に詳しい人材を一人養成していくことが必要だ。東建国保の例では、肺がんの組合員一人の治療費に840万円を国保から支出し、その後に認定され労災扱いとなっている。この額から考えても、一人養成するのは十分に意味があるはずだ。

▼医師・久永直見  学校や官公庁など、クリソタイルを使用している建物のハツリ作業では、ホコリでほとんど周囲が見えないほどになる。この場合は石綿だけでなく、他の危険物質、騒音と振動、暑熱寒冷、不安定な姿勢など、複合的な暴露となる。これを放置すれば、石綿関連のみでなく他の疾患も表れてくる。現在でも、80年代にあまりのひどさに驚いて手をこまねいていた状況が残っている。今後、全建総連として取り組むべきことだ。

▼医師・広瀬俊雄   皆さんには禁煙の必要性を訴えたい。私の診療所では、喫煙者のじん肺申請は取り扱わない。権利自体がないと考えているからだ。久永医師の発言通り、今後は解体工事の曝露防止が中心となる。関連組織と共に追跡調査をしていくことが重要だ。ただ、私のところには、組合に入っていない人、労働者性の可否で難しい立場にある人も大勢来ている。これは全建総連だけ、といった単一組織形体でなく、広い視野で運動に取り組んでほしい。

▼医師・海老原勇  神奈川県連・国保では、平成17〜18年の肺がん死亡者40人中13人、3割を認定させている。もっと高率でも、という思いはある。だが、皆さんのがんばりでここまで来ることができた。今後は、建設従事者の肺がんは「全て石綿によるものではないか」との前提で取り組まないと、被害の広がりが表面化しない。石綿関連疾患が一般疾患として潜在化してしまっている。組合は今すぐ、掘り起こしの作業を発展させる必要があるだろう。

▼医師・樋野興夫  中皮腫は臨床症状が出る前に発見しないと、対応しないと難しい病気。現在は、診断だけでなく治療法の開発にもつながる取り組みを東京土建の協力を得ながら進めている。東京土建国保の組合員3万人以上が診断を受け、放医研でPETを使うなどの手法で、徐々に研究は進んできている。こうした研究は、大学の一研究者が競争的資金で取り組むものでなく国で取り組むべきもの。今後は、省庁へ研究予算増額を働き掛けてほしい。


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