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■ 読売新聞の国保組合に関する記事についての抗議
(2010/1/08)


 読売新聞東京本社 編集局長 殿


 1月8日、貴紙は朝刊3面に「国保組合の厚遇 聖域」との見出しで、国保組合への補助金に触れ、私たちの建設国保があたかも特別に優遇されているかのような印象を与える記事を掲載しました。

 記事は6日に厚労省から発表された国保組合の国庫補助割合に関する資料をもとに、「国の手厚い補助」を受けている国保組合が「独自のサービス」をおこなっており、「政治的配慮」によって特別調整補助金が「支給」されているというものです。

 私たちは、この報道は非常に恣意的な決め付けで、かつ一方的な報道であると感じざるを得ません。また、記事には明らかな誤りもあり、抗議をするとともに訂正を求めます。

 私たちは、憲法第25条に基づき、国民が安心して生活することができる社会保障制度を確立し、健やかでいきいきとした、個人の尊厳が守られる福祉社会の実現を目指しています。

 こうした立場から2003年7月には、私たちの要請によって衆議院と参議院の本会議で「建設労働者の医療の確保に大きな役割を果たしている建設国民健康保険組合の育成・強化に配慮してください」を内容とする「建設国保の育成を求める請願」が全会一致で採択されました。

 今、建設業で働く者はかつてない苦しみの中にあります。廃業、転業で組合を去っていく人たち。自ら命を絶つ人たち。そうした苦しい仲間への一助になれるよう、万が一、疾病を持った場合に、お金の心配をあまりしなくても医療にかかることができるよう、保険者としてできる限りの給付を行うことは社会保障の理念に基づくものであり、私たちは自らの運営努力で国保組合を育ててきたと自負しています。

 私たちはかつて、日雇健康保険の擬制適用という形で被用者保険に加入していたにもかかわらず、一編の厚生省次官通達によって国保制度への移行を余儀なくされました。以来、自前で建設国保組合を設立し、「自分たちの健康保険を守り、財政運営の健全化を図る」ためにさまざまな努力をしてきましたし、今後もこうした保険者機能を発揮する努力を続けていくことを明らかにします。

 以下4点について、全建総連として主張します。

@「国保組合は国の手厚い補助を受けている」の記事について
 国保組合に国庫補助が出されているのには理由があります。被用者保険(協会けんぽ、健保組合)加入者は労働者と事業主で保険料を負担しています。市町村国保を含めて国保制度には事業主による保険料負担がありません。 私たちの建設国保に多く補助が出されているかの印象を与える記事になっていますが、国保組合への補助率は、普通調整補助金によって所得が高く財政力の強い国保組合には低く、所得が低く財政力の弱い国保組合は高い仕組みになっています。また、「特別調整補助金」は、国民健康保険法第73条、同政令第5条で明確に規定されたものです。

 厚労省発表資料では、国保組合全体の保険給付費に対する国庫補助割合は40.5%となっており、建設関係国保でも45.2%です。一方、市町村国保への補助は55.4%となっており、更に市町村の一般財源からの繰り入れもあります。この数字が示すとおり、国保組合の補助割合は市町村国保と比べても明らかに低いのです。

A「独自のサービスをおこなっている」の記事について
 償還払い制度などの付加給付を行うことは、国民健康保険法第58条に規定されており、法律的に問題がありません。また付加給付に補助金が使われている事実はありません。

 付加給付は、私たちの仲間が、病気等で仕事に出ることができないときに、有給休暇制度や退職金制度が整えられた被用者保険の加入者と違い、無収入になってしまう建設職人の生活を支えるものです。その分、割高の保険料になることを、みんなで合意しながら行っているものです。

B「政治的配慮が働いている」の記事について
 国保組合への国からの補助金は、法律では「補助することができる」となっており、市町村国保への国からの「負担金」とは違っています。私たちはそうしたこともあって、労働組合として仲間の要求を実現するため、当然の運動として与野党を問わず、毎年全政党の国会議員に対して国保組合の育成・強化、補助金の確保をお願いをしているのです。

C「入院だけでなく外来治療も無料の兵庫県建設国保組合」の記事について
 兵庫県建設国保組合では通院に係る本人への償還は「1レセプト単位で3千円を超えた金額」となっており、記事は間違いです。


全国建設労働組合総連合
書記長 古市 良洋


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