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■ 書記長談話 「建設分野における外国人材の活用に係る緊急措置」及び外国人技能実習制度の見直しについて
(2014/04/24)


1.政府は4月4日、東日本大震災による復興事業やオリンピック・パラリンピック東京大会の関連施設整備等による建設業での人材不足に対応するため、 「当面の一時的な建設需要の増大への緊急かつ限定的措置(2020 年度で終了)」 として、「即戦力となり得る外国人材の活用促進」を進めるために、「建設分野における外国人材の活用に係る緊急措置」を決定しました。
  主な内容は、「技能実習」による在留資格(3年)に加えて、新たに「特定活動」による在留資格(2年)を設け、就労可能期間を5年に延長し、技能実習終了後の帰国者には許可されていない再入国を許可し、「特定活動」を最大3年まで認めるというものですが、この「緊急措置」は、建設業における人材不足に対する問題の解決につながらないものであり、反対を表明せざるをえません。

2.外国人技能実習制度は、開発途上諸国・新興諸国の経済社会発展を担うための人材育成を目的とし、そのために日本国内において一定期間内に技能習得を行い、技能実習終了後は母国に帰国し、母国の発展に貢献するという制度です。今回の「緊急措置」は、2020年度で終了するとしているものの、「技能実習」に「特定活動」を加えることにより、建設業における外国人の単純労働者の就労に大きく道を開かんとするものです。

3.「言葉・慣習の違いや期間雇用のため、一人前になるまでに5年から10 年かかる」「国内若年者確保が本筋」(3月18 日・群馬県建設業協会)、「国内の問題を解決しないで安易に外国人を受け入れることはすべきでない」(3 月27 日・東京建設業協会)との指摘にあるように、地域の建設業界は外国人技能実習制度の大幅緩和に慎重ないし反対という態度であり、「即戦力となり得る外国人材の活用促進」を図ろうとしても、建設現場において外国人実習生の多くが、主要な担い手にはなりえていない現実があります。特に、言葉が通じにくいことから、建設現場での就労には労働安全面で大きな問題があります。
  厚生労働省が2012年に実施した外国人技能実習生の実習実施機関に対する監督指導では、実習実施機関の79%に何らかの労働基準法違反があり、さらに JITCO(公益法人 国際研修協力機構)発表によると、1992年から2011年の間の「外国人研修生・実習生の死亡者」は285名あり、うち30%・85名が「脳・心臓疾患」となっています。研修生・技能実習生として来日する外国人のほとんどが20歳代と若いことから考えると異常に高い割合であり、日本の技術の海外移転という制度目的を掲げながら、実態は、技能実習生が長時間の過重な労働に従事させられていることが十分に推測されます。
  さらに、外国人技能実習制度の名のもとに低技術・低賃金の建設業就業者が増大することは、国内の建設技能労働者の賃金・労働条件の悪化を招く恐れが強くあり、外国人の受け入れにより日本の若者が建設業から離反するという逆効果を生み出しかねません。

4.決定された政府方針は、一方で「基本的考え方」として、「構造的要因による担い手不足の懸念に対しては、今回の緊急措置とは別に、中長期的な観点から、必要な人材を国内で確保していくことが基本」としていますが、国内の建設技能労働力確保の現方策の徹底は極めて不十分であり、二度にわたる公共工事設計労務単価の引き上げや社会保険制度の普及により、賃金と社会保険料、法定福利費が早急に建設技能労働者の手にわたるように、政府と建設業界は全力をあげて取り組むべきです。
  全建総連は、外国人技能実習制度本来の目的を実現させるために早急なる改善による遵法体制に基づく運用を求めるとともに、国内での建設技能労働者確保のための施策に全力を傾注するよう求めていきます。
  一方で、全建総連が調査したところによると、建設業での外国人技能実習生受け入れ事業所において技能実習に誠実に取り組んでいる事業所も多く存在 しており、こうした受け入れ事業所の実態と要望を把握し、外国人技能実習制度の改善に向けて当該省庁との交渉に取り組んでいきます。

                                 2014 年4 月23日
                                 全国建設労働組合総連合 書記長 勝野圭司


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