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■構造計算書偽造問題で書記長が談話
(2005/12/15)


構造計算書偽造問題に対する声明
2005年12月15日

 鉄筋コンクリート造のマンションやホテルの構造計算に偽造があり、耐震性に問題があることが発覚、住民への退去勧告やホテルの営業停止といった重大な事態に発展している。
 私たち全建総連は、建設業に関わる者として、建物の強度を偽造することは命にかかわる問題で決して許されないことであり、真相の徹底究明と、一刻も早く安全の確保と居住者のくらしの再建が行われるよう、関係者の真摯な努力を求める。

 今回の問題は、構造を担当した下請の建築士の違法行為であると同時に、建物全体の設計を元請した設計事務所、建築物が建築基準法に適合しているかの確認を行う確認検査機関、建築のプロである施工者、現場監理者が、揃って設計の偽造を見過ごしてしまっている。現行の制度への不信を招きかねない重大な問題である。当事者の責任と国の責任で、事態の解決にあたるべきである。

 バブル崩壊後、建設投資は減り続け、04年度はピーク時(1992年度)の6割にまで落ち込んでいる。こうした長期低落傾向の中、ゼネコンのみならず中小建設業者に至るまで、淘汰の波が押し寄せている。
ダンピング受注は常態化し、そのしわ寄せは現場に押し付けられている。建設業界は、談合と重層下請という古い体質のままである。元請は受注金額を減らしていても利益は確保し、下請−孫請−さらにその下では、単価は削られ、働く者のルールが守られない現場もある。実際、今回の問題が発覚した後に倒産した施工業者は、度重なる下請代金の不払いの「実績」があった。
 「経済設計」なる言葉のもと、本来必要な鉄筋を減らすとは、まるで乾いた雑巾を絞るような「コスト削減」の圧力があったのではないか。
私たち全建総連は、建設業の近代化と民主化を求めるとともに、建設労働者・職人の雇用の安定と雇用のルールの確立を求めるものである。

 また、1999年実施の建築基準法「改正」を契機に、民間確認検査機関が創設されており、民間機関による見過ごしは、官から民へという「構造改革」路線の中で市場主義が進められ、その結果競争が激化、低単価受注に拍車をかけたという面も看過できない。

 大臣認定の構造計算プログラムに弱い地震力を入力したと言われているが、弱い地震力が入力できるようなプログラムにも問題があるのではないか。また、地盤に見合った建築物の強度が必要とされるが、この点でも検証が必要である。

 設計、施工、監理、検査に携わる者の倫理が問われている。発注者がたとえどんな無理な条件を提示したとしても、建築基準法をはじめ関係法令を遵守すること、最善を尽くし良心的な施工をすることは、当然のことである。
 私たち全建総連に加盟する地域に根ざす工務店は、技術技能の向上に努めるとともに、手がける木造軸組住宅については、「住宅性能表示制度」や「住宅性能保証制度」に対応する品質と充分な強度を確保しており、今回の問題と関連がないことを表明したい。

 工場での重大事故や鉄道事故等が頻発する中、ものづくりの現場に危機が訪れていると言われる。熟練した技能をもった職人が減っていることが原因の一つである。また、単価と時間に追われ、経験や技能を重視しない社会風潮が広がっていることも原因といえる。当然行うべきチェックがおろそかになってはいけない。発注者、元請設計者、元請施工者の良心や事業者としての社会的使命が問われている。
 真相の徹底究明と、当事者と国の責任による一刻も早い解決を求めるものである。

全国建設労働組合総連合 書記長 佐藤正明


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