書記長談話 外国人労働者の受け入れ拡大の拙速な議論に抗議し、技能実習制度の根本的な見直しを求める

2018/12/11
全国建設労働組合総連合 書記長 勝野圭司

12月8日未明の参議院本会議において、「改正出入国管理法」が可決、成立した。同法は、建設業をはじめ人手不足とされる産業分野に、「一定の専門性・技能を有し、即戦力となる」外国人労働者を受け入れるための「特定技能1号、2号」という在留資格の新設を柱としており、単純労働に従事する外国人の永住に道を開くなど、日本の社会、とりわけ労働現場に大きな影響を及ぼすものであるにもかかわらず、参議院ではわずか30時間あまりという、極めて不十分な質疑時間で議論が打ち切られ、採決が強行された。拙速な国会審議、採決は誠に遺憾であり、強く抗議する。
同法の審議においては、現行の外国人技能実習制度をめぐって、最低賃金を下回る低賃金や長時間労働、パワハラ・セクハラ、悪質ブローカーの介在など、多数の失踪者を生み出す劣悪な就労実態が明らかとなった。新設される「特定技能」は、この技能実習制度を温存・活用する仕組みであり、監理団体の名を借りた悪質ブローカーの関与を防止する手立てもない。「人身売買制度」と海外からも批判される技能実習制度の根本的な見直し、是正は不可欠である。
建設産業では、ここ数年、業界を上げて現場従事者の賃金・単価引き上げ、社会保険の加入促進、休日確保など、若者が入職・定着する建設産業をめざし、取り組みを進めてきた。しかし、今回の外国人労働者受け入れ拡大は、安価な労働力に依拠する悪質な事業者の活動を助長し、この間の業界の努力を、根本から切り崩すものとなりかねない。また、危険な作業をともない、言葉によるコミュニケーションが欠かせない建設現場では、日本語の未熟な外国人労働者の増加で、労働災害の発生も懸念される。
今後、政府は同法施行に向けて、基本方針、分野別運用方針をとりまとめ、業種ごとの受入れ人数や技能レベル等の詳細を示すとしているが、建設産業での受け入れ方針の策定に際しては、建設現場の実態を反映した議論を求めるとともに、現行の技能実習制度の実態調査、検証を強く要求していく。
全建総連は、何より、建設現場従事者の賃金・単価引き上げをはじめとした、処遇改善による若年技能者の育成・確保を最優先とする立場から、業界をあげた取り組みを全力で推進するとともに、技能実習制度の抜本的な見直し、是正をめざし、実習生および外国人労働者の権利擁護と実態把握の取り組みを進めていく。

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