書記長談話 九州建設アスベスト訴訟福岡高裁の判決について

2019/11/14
全国建設労働組合総連合 書記長 勝野圭司

2019 年11 月11 日、福岡高裁は九州建設アスベスト一陣訴訟に対し、国及び被告アスベスト建材メーカー4社の責任を認め、賠償責任を命じる原告勝訴の判決を言い渡しました。これまでに全国で、7つの地裁判決及び4つの高裁判決が出されており、本判決は5つ目の高裁判決です。
判決では、国の責任について、警告表示(掲示)の義務付けに関する規制放置の責任などを認め、責任時期も1審よりもその終期を9年遅らせ、救済の範囲を拡大し、1審よりも多い賠償を命じました。さらに、東京1 陣東京高裁、京都1 陣大阪高裁、大阪1陣大阪高裁に引き続いて、「一人親方」に対する国の責任も認めました。
国の責任が認められるのは、今回の判決を含めて11 回連続となります。国の責任が連続して認められたことは、国の司法判断が完全に認められ、確立したといえます。一人親方に関しても、今回の高裁判決を含め4回連続で国の責任が認められたことは、一人親方のアスベスト被害に対しての国の責任が、もはや疑いのないところとなっていることを示したものです。
建材メーカーについては、主たる原因となった建材を製造・販売し、一定の割合を占めていたA&Aマテリアル、ケイミュー、ニチアス、ノザワの共同不法行為責任を認め、損害賠償を命じました。
これは、アスベストが重篤な疾患を引き起こす危険物であると知りながら、十分な警告表示すらも行わないままに石綿建材を製造・販売してきた建材メーカーの責任を断罪したものです。高裁判決で連続して被告建材メーカーの責任が断罪されたことは、企業に対する司法判断の流れが確立されつつあることを示しています。
国及び被告アスベスト建材メーカーは、今回の判決を真摯に受け止め、責任を自ら認め、すみやかに原告らに謝罪し、早期解決に踏み出すべきです。
原告及び全ての建設アスベスト被害者の「命あるうちの救済」をするためには、国と被告アスベスト建材メーカーは、裁判に頼らずとも十分な補償がされる基金制度の確立などに尽力すべきです。
全建総連は、建設アスベスト被害の根絶に努め、建設アスベスト被害原告、その家族、遺族原告と連帯し、建設アスベスト訴訟の早期解決と補償救済に向け、一層の支援・協力に全力を尽くしていくことを表明します。

2019 年11 月13 日

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