書記長談話 建設アスベスト訴訟(東京1陣)東京高裁判決について

2018/03/20
全国建設労働組合総連合 書記長 勝野圭司

 3月14日、東京高等裁判所は建設アスベスト訴訟東京1陣に対し、国が労働関係法令に基づく規制権限不行使の違法性があったとして責任を認めました。東京地裁判決よりも違法時期を6年早めることにより、被災者の救済範囲も広げました。
 さらに判決では、労災保険特別加入制度への加入資格を有する一人親方及び中小事業主(以下、一人親方等)に対する国の国家賠償責任を初めて認めました。一人親方等が建設現場において労働者と一緒に同一作業し、一人親方等も労働者と同じ危険性と隣り合わせで仕事をしている実態や、一人親方等が建設現場において重要な地位を占めているという社会的事実、一人親方等の侵害される利益の内容及び性質をも考慮すると、法律の目的から保護されるべきに相当としています。今までの判決では、一人親方は労働者性が認められない限り、救済対象としていませんでしたが、労働者性にこだわることなく、一人親方のみならず、自ら建築作業に従事する中小事業主も救済しており、極めて画期的な判決と高く評価できます。
 しかし、被告建材メーカーらの共同不法行為は、残念ながら認められませんでした。原告が裁判で主張した国土交通省による建設アスベストデーターベースの情報が否定され、建材メーカーのシェアを的確に認定できない、建材メーカーの行為が被告原告らの従事する建設現場に現実に到達したことが証明できないとしました。長年に渡り警告表示もせず石綿建材の製造・販売を続け、その結果、原告ら建設工事従事者に大きな被害を明らかであるにもかかわらず、共同不法行為の趣旨を無視した不当な判断であると言わざるを得ません。
 この判決により、国は8度の連続敗訴となりました。昨年10月の東京高裁神奈川1陣の判決に引き続き、国の責任は、まさに不動のものとなりました。すでに原告の7割が死亡している現状を踏まえ、国は、速やかに原告らに謝罪し、早期全面解決に踏み出すべきです。原告及び全ての建設アスベスト被害を救済するためには、国と被告建材メーカーは早期全面解決のための上乗せ補償制度(基金制度)創設に尽力すべきです。そのためにも国や被告建材メーカーは速やかに、原告らと協議の場を持つべきです。 
 全建総連は、建設アスベスト訴訟原告、その家族、遺族原告と連帯し、建設アスベスト訴訟の早期解決と救済を求め、すべての建設アスベスト被害の救済に向け、一層の支援・協力していくことを表明します。

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