書記長談話 関西建設アスベスト訴訟大阪地裁判決について  1/25 UP

2016/01/22
全国建設労働組合総連合 書記長 勝野圭司

 1月22日、大阪地裁は、アスベストに対する国の規制に遅れがあったとして、国へ賠償責任を命じる原告勝訴の判決を言い渡しました。提訴から4年半、原告をはじめ裁判を担い支援してきた関西の仲間をはじめ、ご支援いただいた各県連・組合のご協力に感謝し、全面解決に向けた今後の運動と、後に続く訴訟を共にたたかっていく決意を表明するものです。

 判決は、建設アスベスト被害について、東京地裁判決や福岡地裁判決に続き三度国の法的責任を認めたことは評価できるものです。一昨年の泉南アスベスト被害最高判決をもって国の責任が確定していることからも、建設アスベスト訴訟についても、国の責任を認める司法判断の流れは確定的となりました。私たちは、国がこの判決を真摯に受け止め、被害者の全面救済と新たな救済制度を創設し、アスベスト対策の抜本的強化に乗り出すよう要求していきます。

 しかし判決は、一人親方を全て労働安全衛生法の保護対象に含まれないとして賠償の範囲外としました。増加し続けている一人親方化による請負労働者を「労働者に該当しない」として、実態に反して労働関係法外にすることは、建設産業の実態とアスベスト被害に苦しむ被害者本人、遺族の方々の悲痛な苦しみに目を背け、建設従事者の労働環境を一層悪化させるものと言わざるを得ません。

 被告企業については、原告らが、個々の被害者ごとに、ばく露した可能性が特に高い建材を特定したにもかかわらず、建材企業の責任を全て否定したこと、個別の被災者が従事する建設現場において、石綿含有建材を製造販売した企業を、原告側において特定できないとした共同不法行為は成立しないと、被告企業の法的責任を否定したことは全く不当な判断です。

 なお判決が、平成7年時点でクリソタイルについても製造禁止すべきで、その規制権限を行使しなかったのは違法であるとしたことは、白石綿の製造禁止は新たな進展に繋がり、アスベスト被害に苦しむ被害者の救済の範囲を広げるものとなります。

 関西建設アスベスト大阪訴訟の原告19人のうち、すでに13人が亡くなりになっており、「原告の生命あるうちの早期解決を」の願いを国、被告企業に真摯に受け止めさせ、建設アスベスト被害者の全面的、かつ早期解決に向け、裁判に頼らずとも十分な補償がなされる基金制度の創設などを強く要求していきます。全建総連は、訴訟原告、ご家族と連帯し、アスベスト訴訟の早期解決と、すべてのアスベスト被害の救済にむけた請願署名の採択を目指して、一層の努力をしていくことを表明します。

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