書記長談話 建設アスベスト訴訟東京高裁及び横浜地裁の判決について

2017/11/01
全国建設労働組合総連合 書記長 勝野圭司

 10月24日、横浜地方裁判所は建設アスベスト訴訟神奈川2陣に対し、国には労働関係法令に基づく規制権限不行使の違法性があったとして責任を認めました。建材メーカーである被告ニチアスとノザワの2社に対しては、昨年1月29日に言い渡された京都地裁判決に引き続き、建材メーカーの警告義務を怠ってきたことを認め、損害賠償を命じました。一人親方については、必要な限度で個別具体的に検討し、判決文では労働者性が認められた者はいなかったとありますが、建材メーカーの責任を認めることで、「労働者」に該当しない一人親方等についても救済の道が開かれました。
 同月27日には、建設アスベスト訴訟では初めての高等裁判所の判決となる建設アスベアスト訴訟神奈川1陣の東京高裁判決が出され、2012年5月25日の横浜地裁の全面敗訴判決を覆しました。24日の横浜地裁と同様に国の労働関係法令に基づく規制権限不行使の違法性を認め、建材メーカーである被告エーアンドエーマテリアル・ニチアス・エムエムケイ・神島化学工業の4社に対して、アスベスト建材を取り扱う作業中は防じんマスクを使用する必要があることなどを警告する義務を負担する、として警告義務を認め、損害賠償を命じました。
 高裁での初の判決であることから、マスコミも救済に向けた制度創設などを報道し、世論や政治に訴える力は極めて大きな判決となりました。国や被告建材メーカーが東京高裁判決に対して最高裁判所に上告したとしても、東京高裁が出した判断は最高裁判の審理や判断に大きく影響するはずです。7度連続で国の責任が認められたことは、もはや国に対して不動の責任が確定しています。被告建材メーカーにおいても、昨年の京都地裁、24日の横浜地裁と3度に渡り断罪され、賠償責任が認められたことを真摯に受け止め、国と被告建材メーカーは早期全面解決のための上乗せ補償制度(基金制度)創設に尽力すべきです。
 全建総連は、建設アスベスト訴訟原告、その家族、遺族原告と連帯し、建設アスベスト訴訟の早期解決と救済を求め、すべての建設アスベスト被害の救済に向け、一層の支援・協力していくことを表明します。

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