書記長談話 建設アスベスト訴訟(京都1陣)大阪高裁判決について

2018/09/04

全国建設労働組合総連合 書記長 勝野圭司

 8月31日、大阪高等裁判所は関西建設アスベスト京都1陣訴訟に対し、国及び被告アスベスト建材メーカー10社に対して、被害者全員(25人)への責任を認め、補償・救済をする建設アスベスト訴訟初めての「全員勝訴判決」「全面勝訴判決」となりました。
 国の責任が認められたのは、今回の判決を含めて9回連続となり、国が防じんマスクの着用・集じん機付き電動工具の使用及び警告表示の義務付けを怠った違法性の時期についても、1審京都地裁の判決と同様の時期が認められました。国の責任が9回連続して認められたことは、国の責任に関する司法判断は完全に確立したといえます。さらに、再び屋外作業者に対する国の責任を認めたことは、屋外でのばく露の危険性を否定する国の誤りを明確に断罪するもので、大きな前進となります。
 また、一人親方及び中小事業主においては、3月14日の東京高裁判決に続き、国賠法上の保護範囲に含まれるとして救済を認めたことは、労働者同様に現場で働き、等しく被害を受けた一人親方の就労実態に真摯に向き合った判断と言えるものです。
 被告アスベスト建材メーカーについては、主要被告企業であるエーアンドエーマテリアルやニチアス、ノザワなど10社について、警告表示をせず危険なアスベスト建材を市場に流通させた責任を断罪し、共同不法行為責任を認めました。新たにクボタと日本バルカーの責任を認めたことは、企業の責任に関する判断を拡大したものとなります。昨年10月27日の東京高等裁判所の判決に続く高裁での2例目の企業責任が認められたことで、石綿の危険性を知りながら輸入し、製造、販売を続けていたアスベスト建材メーカーの責任が認められる司法判断の流れが、確立されつつあります。
 原告25名のうち、すでに16名が残念ながら亡くなっており、国及び被告アスベスト建材メーカーは、今回の判決を真摯に受け止め、責任を自ら認め上告せず、すみやかに原告らに謝罪し、早期全面解決に踏み出すべきです。
 また、原告及び全ての建設アスベスト被害者の「命あるうちの救済」に向けて、国と被告アスベスト建材メーカーは、上乗せ補償制度(基金制度)創設に尽力するともに、すみやかに原告らとの協議の場を持つべきです。
 全建総連は、建設アスベスト被害の根絶に努め、被害者、原告、その家族、遺族原告と連帯し、建設アスベスト訴訟の早期解決と補償救済に向け、一層の支援・協力をしていくことを表明します。

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