2024.03.28

解説(3-①)「改正建築物省エネ法・建築基準法 4号特例の縮小」

構造審査が必要に

改正後は4号建築物が新2号と新3号に分かれる

【本部髙橋住対部長記】第3回は「4号特例の縮小」についてです。2回に分けて掲載します。

〇そもそも「4号特例」とは何か
 4号特例とは、建築確認申請時の「審査省略制度」のことで、建築士が設計を行う場合に構造関係規定等の審査が省略される制度のことです。「4号」には、建築基準法第6条第1項第4号に定められた木造住宅等が該当することから、住宅業界に深く関係します。
 建築士が設計した2階建て以下の小規模な木造建築物を対象に、建築確認での構造審査等を省略するというもので、建築基準法の構造規定の適合が免除されるものではありません。建築士が設計段階で基準法への適合性を確認し、その責任を果たすことで審査が省略されてきたわけです。

〇なぜ4号特例が導入されたのか
 さて、4号特例は、1983(昭和58)年に開始。当時は、新築戸建てやマンション購入が大きく伸びている時代の一方で、大量の建築確認申請に対して、審査をする側の建築行政職員が不足していたために、建築確認や完了検査が十分に実施できていなかったのです。こうした背景から「4号特例」の制度が導入されました。その後、1998(平成10)年の法改正で建築確認業務の民間開放が行われたものの、4号特例の制度は存続してきました。
 しかし、建築基準法を熟知しているはずの建築士が設計した「4号建築物」の中で、構造強度不足が明らかになる事件が繰り返し発生したことなどから、制度の見直しが検討されていました。日弁連などは「4号特例」の廃止を繰り返し提言していました。
 そして、今回の建築物省エネ法の改正で、都市計画区域外の建物を含む、すべての建築物が着工前に省エネ基準に適合しているか確認することになりました。こうした検討と合わせ、建築基準法も改正事項が様々検討され、そこに懸案だった4号特例の見直しが盛り込まれたわけです。

〇4号建築物は新2号と新3号に分かれる
 今回の改正で、4号建築物は、新2号建築物と新3号建築物に分かれ(図2)、特例は一部を除いた新3号建築物に適用され、審査省略が残ります。
 構造審査の省略を受けるのがレアケースになったことから、実務上は「廃止」と考えてもいいと思います。
 真面目に構造設計をしてきた建築士や工務店にとっては、とばっちりの感はありますが、住宅を改正法に適合したものとし、しっかり構造チェックを受けるのは大切なことです。
 今回は、必要壁量の基準(壁量計算)や柱の小径に関する基準も同時に改正されており、既に発行されているマニュアルや国交省の講習会で正しい情報を入手し、建築確認申請への対応を進めていきましょう。